2007年9月30日日曜日

沖縄県民大会決議文 

 去る3月30日、文部科学省は、平成20年度から使用される高等学校教科書の検定結果を公表したが、沖縄戦における「集団自決」の記述について、「沖縄戦の実態について誤解するおそれのある表現である」との検定意見を付し、日本軍による命令・強制・誘導等の表現を削除・修正させている。

 その理由として同省は、「日本軍の命令があったか明らかではない」ことや、「最近の研究成果で軍命はなかったという説がある」ことなどを挙げているが、沖縄戦における「集団自決」が、日本軍による関与なしに起こり得なかったことは紛れもない事実であり、今回の削除・修正は体験者による数多くの証言を否定し、歪曲しようとするものである。
 このため、これまで口を閉ざしていた多くの体験者が、子どもたちに誤った歴史を教えることの危機感から、つらい体験や真実をようやく語り始めている。

 また、去る大戦で住民を巻き込んだ国内唯一の地上戦を体験し、一般県民を含む多くの尊い生命を失い、筆舌に尽くしがたい犠牲を強いられた県民にとっても、今回の削除・修正が到底容認できるものではない。そのことから、激しい怒りを示し、そのうねりは県内全体を揺るがす力となって、沖縄県議会での2度の意見書決議、41の市町村議会すべての意見書決議へと結びつき、さらには県内地方4団体や民間団体が相次いで文部科学省へ要請するなど、県民が一丸となって取り組む結果となった。

 これに対し、文部科学省は「教科用図書検定調査審議会が決定することであり、理解していただきたい」との回答に終始し、検定意見の撤回と「集団自決」に関する記述の回復を拒否し続けている。

 また、今回の教科書検定に際して、文部科学省はあらかじめ合否の方針や検定意見の内容を取りまとめた上で同審議会に諮問していること、諮問案の取りまとめに当たっては係争中の裁判を理由にし、かつ、一方の当事者の主張のみを取り上げていること、同審議会では「集団自決」の議論が全くなされていなかったことなど、新たな事実が相次いで判明したのにもかかわらず、依然として対応を改めようとしていない。

 教科書は未来を担う子どもたちに真実を伝える重要な役割を担っている。だからこそ子どもたちに、沖縄戦における「集団自決」が日本軍による関与なしに起こり得なかったことが紛れもない事実であったことを正しく伝え、沖縄戦の実相を教訓とすることの重要性や、平和を希求することの必要性、悲惨な戦争を再び起こさないようにするためにはどうすればよいのかなどを教えていくことは、われわれに課せられた重大な責務である。

 よって、沖縄県民は、本日の県民大会において、県民の総意として国に対し今回の教科書検定意見が撤回され、「集団自決」記述の回復が直ちに行われるよう決議する。

 平成19年9月29日

 9・29教科書検定意見撤回を求める県民大会実行委員会

2007年9月29日土曜日

9・29「教科書検定意見撤回を求める県民大会」参加12万人!

首都圏は雨模様ですが、沖縄は晴れ。
29日午後3時より沖縄県宜野湾市の宜野湾海浜公園で
「教科書検定意見撤回を求める県民大会」が開催されました。
また石垣、宮古島両市でも同時に大会を開催。

教科書検定抗議沖縄県民大会の参加者が12万人超す。
復帰後最大の集会。(共同)
主催者目標の5万人をはるかに上回り、
1995年の10月21日の県民大会8万5千人を超えました。
(沖縄県の人口は137万人)

在京テレビ局でも夕方のニュースで報道されています。
各局による参加者人数
NTV 11万5千人
TBS 11万人
フジ 11万人
テレビ朝日 12万人


沖縄タイムス
検定撤回へ県民集結 軍強制削除に抗議(PDF:723kb
高校歴史教科書の検定で、文部科学省が沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」から日本軍の強制を示す記述を削除させたことに抗議する「教科書検定意見撤回を求める県民大会」(主催・同実行委員会)が、二十九日午後三時すぎから宜野湾市の宜野湾海浜公園で開かれた。

琉球新報
【速報】検定意見撤回を 県民大会で総意訴え
文部科学省の高校歴史教科書検定で沖縄戦における集団自決強制集団死の日本軍強制の記述が削除修正された問題で、教科書検定意見撤回を求める県民大会同実行委員会主催が29日午後3時から、宜野湾市の宜野湾海浜公園で始まった。
一般市民や団体、労働組合、経済界など県内外から数万人が集まり、会場を埋め尽くした。八重山、宮古でもこれと連動した大会が同時刻に開かれた。
大会では、日本軍による命令強制誘導などの記述を削除修正する教科書検定意見の撤回と、記述回復を求める大会決議を採択する。
→PDF版速報(3.5MB)

■実況中継
また集会の様子は地元民放3局すべてとNHK(沖縄)で生中継。
琉球放送 - RBC
15:00~15:55
ライブiスペシャル~教科書検定問題県民大会

OTV沖縄テレビhttp://www.otv.co.jp/
15:00~15:55
報道特別番組「沖縄の声を聞け~教科書検定意見の撤回を求める県民大会~」
ゲスト:米村幸政・石原昌家

QAB琉球朝日放送Web Site
14:55~ 県民総決起大会(教科書検定撤回を求める県民大会)

2007年9月28日金曜日

■9・27 沖縄県民大会プレ集会@首都圏 お礼とお詫び

当日は260人を超える多数のみなさんにご参加いただきありがとうございました。
沖縄の山口さんも大きな力をもらったとのメッセージあり。

資料をお渡しできなかった方へは今週中頃発送予定です。
申し訳ございませんでした。

関連
当日の様子はNHK、琉球新報、沖縄タイムス、東京新聞、赤旗等で紹介されました。
軍強制否定の研究なし 林氏、自著引用に不快感 琉球新報
2007年9月28日(金) 朝刊

検定撤回へ300人集結/都内集会 アピール採択 沖縄タイムス
2007年9月28日(金) 夕刊 7面

「集団自決」検定意見 "歴史の事実を抹殺" 東京で撤回求める集会
2007.09.28 NHKニュース 全国
来年春から高校で使われる教科書の検定で沖縄戦の集団自決に日本軍が関与したとする記述に検定意見がつけられた問題で、昨夜(27日)、市民団体による集会が東京で開かれ、「沖縄県民が体験した歴史の事実を抹殺するものだ」として撤回を求めるアピールを採択しました。
この集会は、東京と大阪、それに沖縄の市民団体が開いたもので、東京・文京区の会場にはおよそ260人が参加しました。
この中で、長年、沖縄戦を研究している関東学院大学の林博史教授は、「これまでの研究で日本軍が住民に直接、自決を命じなくても、アメリカ軍の捕虜になるくらいなら、みずから死ぬよう追い込まれていったことが明らかになっている。日本軍の関与を否定する研究はまったくない」と述べました。
また、琉球大学の山口剛史准教授は、「沖縄戦の真実を曲げる検定は許されない、この1点が沖縄県民の総意だ。しかし政府の対応は無情で、県民の怒りは増している」と述べ、あす(29日)、検定意見の撤回を求める大規模な県民大会を沖縄で開くことを報告しました。
これを受けて、きのう(27日)の集会では「今回の検定意見は沖縄県民が体験し継承してきた歴史の事実を抹殺するものだ」として、検定意見の撤回を求めるとともに、こうした動きを全国に広げるとするアピールを採択しました。

9・27 沖縄県民大会プレ集会@首都圏 アピール

沖縄戦の事実を抹殺する検定意見の撤回をもとめる集会アピール

 沖縄戦の強制集団死、いわゆる「集団自決」について、日本軍による命令・強制・誘導等の表現を削除・修正させた教科書検定に対し、沖縄県民はもとより、各地・各方面から文部科学省への強い抗議の声がおこっています。そしてまもなく「教科書検定意見撤回を求める9・29県民大会」が行われようとしています。

 沖縄戦における強制集団死が、日本軍の命令・強制と誘導なしには起こりえなかったという事実は、これまで体験者の証言と歴史研究によって明らかにされ、今日まで通説として認められてきたところであり、教科書にも記述されてきました。
 ところが文部科学省は、「つくる会」教科書につながる右翼勢力が提訴した大江・岩波沖縄戦裁判の一方の当事者の主張を主な根拠として今回の検定を強行しました。これは、きわめて異常であり、絶対に許すことができません。
日本軍による命令・強制・誘導という事実を隠し、強制集団死を住民の自発的なものであるかのように書き直させたことは、まさに歴史研究を踏みにじり、沖縄県民が体験し継承してきた歴史の事実を抹殺するものです。
 右翼勢力と結託した文部科学省のねらいは、「皇軍の名誉」なるものを回復することを通して、ふたたび国民を戦争に動員する国家体制をつくること、そのために憲法改悪を実現しようとするところにあります。日本国憲法の理念を破壊するこの不当な企てを絶対に許してはなりません。

 私たちは、文部科学省が今回の沖縄戦記述に関する検定意見=修正指示をただちに撤回し、沖縄戦の真実が正しく教科書に記述されるよう強く要求します。
 私たちは9・29沖縄県民大会に連帯し、その成功のために全力をつくします。
 私たちは9・29沖縄県民大会の成果の上に立って、検定意見の撤回を実現するまで、運動をさらに大きく全国にひろげるために奮闘します。

2007年9月27日
9・27 沖縄県民大会プレ集会@首都圏

主催
大江・岩波沖縄戦裁判を支援し沖縄の真実を広める首都圏の会(東京)
大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判支援連絡会(大阪)
沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会(沖縄)

2007年9月27日木曜日

9・27 沖縄県民大会プレ集会@首都圏

今月29日の沖縄県民大会を前に、沖縄・大阪の会と共催で
集会を開催します。是非ご参加ください
チラシ→PDF(130K)

転送歓迎! どなたでも参加できます
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●9・27 沖縄県民大会プレ集会@首都圏
-大江・岩波沖縄戦裁判と教科書検定-
主催:大江・岩波沖縄戦裁判を支援し沖縄の真実を広める首都圏の会
大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判支援連絡会(大阪)
沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会(沖縄)
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■日時:2007年9月27日(木)開始18時30分 開場18時
■場所:文京区民センター 2A会議室 資料代:500円
地下鉄都営三田線/大江戸線春日駅から徒歩0分(A2出口直上)
丸の内線/南北線後楽園駅から徒歩3分
JR総武線/水道橋駅から徒歩10分
予約は不要です。当日会場に直接お越しください。
■内容
★連帯挨拶 山内徳信さん
(参議院議員、元沖縄県出納長、前読谷村長)

★大江・岩波沖縄戦裁判の経過報告 小牧 薫さん
(大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判支援連絡会)

★沖縄戦研究者からの発言 林 博史さん
(関東学院大学経済学部教授)

★県民大会を前に-沖縄からの発言 山口剛史さん
(沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会/琉球大学准教授)

2007年3月30日に文部科学省は高校日本史の検定結果を公表し、沖縄戦の強制集団死、いわゆる「集団自決」に関し、「沖縄戦の実態について誤解するおそれのある表現である」との検定意見を付し、日本軍による命令・強制・誘導等の表現を削除・修正させたことが明らかになりました。

これに対し、沖縄戦の事実を歪めるものであるとの抗議が各方面から文部科学省に対しておこっています。特に沖縄県では県議会が二度にわたり、検定意見の撤回を求める「教科書検定に関する意見書」を全会一致で採択し、県内41すべての市町村議会でも同様の意見書が採択され、9月29日には、検定撤回を求める大規模な県民大会が沖縄県宜野湾市で開かれます。

今回の検定の根拠とされた「大江・岩波沖縄戦裁判」も山場を迎えています。7月27日には座間味島の体験者である宮城初枝さんの娘・宮城晴美さん、9月10日には渡嘉敷島の体験者・金城重明さんが証言しました(沖縄出張法廷)。そして11月9日には被告・大江健三郎さんと原告・梅澤裕さん(元・座間味島守備隊長)が法廷に立ちます。

9・29沖縄県民大会を首都圏でも応援するため、沖縄・大阪・東京の3団体共催で実施します。ぜひご参加ください。

*一部既報の金城重明さんの証言ビデオは上映いたしません。ご了承ください。
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大江・岩波沖縄戦裁判を支援し沖縄の真実を広める首都圏の会
(略称:沖縄戦首都圏の会)
連絡先:〒101-0051千代田区神田神保町3-2 サンライトビル7F
千代田区労協気付 TEL 03-3264-2905
http://okinawasen.blogspot.com/
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2007年9月24日月曜日

9・29沖縄県民大会情報

30万枚配布!チラシ







実行委員会説明会配布資料詳細です(pdf) スキャンデータなので体裁ご容赦

2007年9月10日月曜日

那覇で10日「沖縄戦裁判」出張法廷/金城重明氏証言

☆関連ニュース
那覇であす「集団自決」訴訟出張法廷/金城重明氏証言
沖縄タイムス
沖縄戦時に慶良間諸島で相次いだ住民の「集団自決(強
制集団死)」をめぐり、住民に命令を出したと著作に記
されて名誉を傷つけられているとして、旧日本軍の戦隊
長だった梅澤裕氏(90)らが作家の大江健三郎氏と岩
波書店に、出版の差し止めなどを求めて大阪地裁で争わ
れ ...
<http://www.okinawatimes.co.jp/day/200709091300_02.html>

琉球新報
10日に福岡高裁那覇支部で開かれる岩波・大江「集団
自決」(強制集団死)訴訟の出張法廷や、29日に宜野
湾海浜公園で行われる「教科書検定意見撤回を求める県
民大会」を前に、県内で教科書問題に関する集会が相次
ぎ、沖縄戦の実相を再確認する動きが活発化している。
<http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-26993-storytopic-1.html>
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☆9月27日集会
首都圏の会では、9月29日の沖縄での県民集会を控え
9月27日に集会を開催します。是非ご予定ください。

■9・27 沖縄県民集会プレ集会@首都圏
大江・岩波沖縄戦裁判と教科書検定

日時:9月27日(木) 開場:18時 開始:18時半
資料代:500 円
場所:文京区民センター 2A会議室 資料代500円

★連帯挨拶
山内徳信さん(参議院議員、前沖縄県出納長、元読谷村長)
★裁判報告
小牧 薫さん(大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判支援連絡会)
★沖縄戦研究者からの発言
林 博史さん(関東学院大学教授)
他に県民集会を前に現地「沖縄からの報告」を予定しています。

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☆今週の関連集会ご案内

■9・11 緊急集会 今、なぜ沖縄戦の事実を歪曲するのか
 歴史教科書の「集団自決」検定修正をめぐって
■日時 9月11 日(火)19時から21時(18時半開場)
■場所 大泉勤労福祉会館 集会室
(大泉学園駅 南口下車3分)資料代 300円

講演
沖縄戦集団死・「集団自決」歪曲と県民の運動
山口剛史さん(沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会
事務局長/琉球大学准教授)

報告
大江健三郎氏・岩波書店「集団自決」裁判の現状 岡本厚さん(岩波書店)
○主催
〈沖縄戦教科書検定問題を考える9.11集会〉実行委員会


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■9・14 沖縄戦の歴史歪曲を許さない!全国集会
■日時 9月14日(金)18時30分から20時30分
■場所 社会文化会館5階ホール(永田町下車5分)

内容
沖縄からのメッセージ・沖縄の現状ととりくみ
沖縄戦の歴史歪曲と教科書検定(高嶋伸欣琉球大学教授)
教科書会社と教科書検定(出版労連)
国会報告(民主党・社民党)
集会アピール
主催:平和フォーラム
http://www.peace-forum.com/